高度人材ポイント計算により高度外国人材と認定されれば、様々な優遇措置が受けられます。
複合的な在留活動の許容
外国人の方は通常、許可された1つの在留資格で認められている活動しかすることができません。
しかし、高度外国人材の在留資格での在留が認められれば、複数の在留資格にまたがるような活動を行うことができます。
例えば、大学での研究活動と併せて、関連する事業を経営する活動を行うなどです。
「高度専門職2号」では、「高度専門職1号」で認められる活動のほか、その活動と併せて就労に関する在留資格で認められるほぼ全ての活動を行うことができます。
在留期間「5年」の付与
高度専門職1号に対しては、法律上の最長の在留期間である「5年」が一律に付与されます。
高度専門職2号では、在留期間が「無期限」になります。
永住許可要件 原則10年在留に関する特例
高度外国人材のポイント計算により、以下のように特例が認められています。
◆高度外国人材におけるポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であれば、次のいずれかにあてはまる方で、永住許可の在留歴の要件を満たすことができます。
ア 「高度人材外国人」として必要な点数を維持して3年以上継続して本邦に在留していること。
イ 永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し本邦に在留していること。
◆高度外国人財におけるポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかにあてはまる方で、永住許可の在留歴の要件を満たすことができます。
ア 「高度人材外国人」として必要な点数を維持して1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められ、1年以上継続して80点以上の点数を有し本邦に在留していること。
◆特別高度人材(J-Skip)における基準にあてはまる方で、さらに次のいずれかに該当する方
ア 「特別高度人材」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として特別高度人材の基準に該当することが認められること。
配偶者の就労
高度外国人材の配偶者の方で日本に在留する方が、在留資格「教育」、「技術・人文知識・国際業務」などの活動を行おうとする場合には、学歴・職歴などの一定の要件を満たし、これらの在留資格を取得する必要がありますが、高度外国人材の配偶者の場合は、学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも、これらの在留資格に該当する活動を行うことができます。
親の帯同の許容(要件あり)
今の入管の制度では、就労を目的とする在留資格で在留する外国人の親の受入れは原則認められません。
しかし、
- 高度外国人材又はその配偶者の7歳未満の子(養子を含みます。)を養育する場合
- 高度外国人材の妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度外国人材本人の介助等を行う場合については、一定の要件の下で、高度外国人材又はその配偶者の親(養親を含みます。)の入国・在留が認められます。
【主な要件】
- 高度外国人材の世帯年収※が800万円以上であること※高度外国人材本人とその配偶者の年収を合算したものをいいます。
- 高度外国人材と同居すること
- 高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限ること
家事使用人の帯同の許容(要件あり)
外国人の家事使用人の雇用は、在留資格「経営・管理」、「法律・会計業務」等で在留する一部の外国人に対してのみ認められるます。
ただし、高度外国人材については、一定の要件の下で、外国人の家事使用人を帯同することが認められます。
【主な要件】
1.外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合の条件(入国帯同型)
- 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
- 帯同できる家事使用人は1名まで
- 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
- 高度外国人材と共に本邦へ入国する場合は、帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用されていた者であること
- 高度外国人材が先に日本に入国する場合は、帯同する家事使用人が日本入国前に1年以上その高度外国人材に雇用され、かつ、その高度外国人材が日本へ入国後、引き続きその高度外国人材又はその高度外国人材が日本入国前に同居していた親族に雇用されている者であること
- 高度外国人材が日本から出国する場合、共に出国することが予定されていること
2.1以外の家事使用人を雇用する場合(家庭事情型)
- 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
- 帯同できる家事使用人は1名まで
- 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
- 家庭の事情(申請の時点において、13歳未満の子又は病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有すること)が存在すること
3.投資運用業等に従事する金融人材が家事使用人を雇用する場合(金融人材型)
- 金融人材の世帯年収が1,000万円以上あること
- 帯同できる家事使用人は2名まで(ただし、2名の場合は、世帯年収が3,000万円以上の場合に限る。)
- 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
入国・在留手続の優先
高度外国人材に対する入国・在留審査は、優先的に早期処理が行われます。
- 入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内を目途
- 在留審査に係る申請については申請受理から5日以内を目途
提出資料等の詳細を確認する必要がある場合などにおいては、目途となる審査期間を超えることがあります。